八朔です。


関係ないですが去年のM-1感想読み返して、ああ当時の自分はそんなに疲れてたんだと思いました。


本当に関係ない話でごめんなさい。以下感想。


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土肥ポン太『カッコ田ツケ男の大ビンゴ大会』 4点 440位

約一週間前、この方が一番手と聞いたときにはどうにも切ない気持ちになりましたが、全員のネタを見終わった後ではむしろ適任かと思いました。今回の関東勢は挑戦者サイド的な立ち位置の方が多く、ネタの構成がピンポイントでお客さんの温まった後でないと効果的でない芸人さんも多くいらっしゃったので。トップバッターとしてのお仕事、お疲れ様でした。
『バトルオワライヤル』を髣髴とさせるモノボケの連発から、中盤に張った伏線をベテランらしくキッチリ回収。全国放送で真価を発揮しつつポン太さんの魅力も存分に発揮されていて、番組的にもファン的にも納得のいく出来だったんじゃないでしょうか。まあ、ポン太さんの及第点的なネタ運びってそうそう見られるモンじゃないですし(笑)、ダダスベリだけは回避できたのでよかった、と。

並列的で今後のボケに繋がる小さいボケの破壊力がやたらと高いのが、いかにも土肥ポン太さんらしくて嬉しかったです。


徳井義実『ヨギータ落語』 456点 同点1位(決選投票:桂三枝)

もう「皆さんご存知の通り」でいいような気もしますが、変態的性欲猛プッシュとベタ&メタなお笑い職人観点の波状攻撃が社会不適合っぽい外人さんキャラです。非芸人ファンの方が管理人のサイトやブログでも頻繁に目にする名前のキャラクターだけに、お笑いファンには飽きられ気味を通り越して悪い先入観すら植え付けられていそうな印象もありますが、そういったレッテルを完全に払拭できたかと言われると、まあ、半々かな……、と。当日・翌日のはてなダイアリーだけ覗いてみて、そんな印象を持ちました。
「M-1優勝者としての期待値>去年からの伸び幅」なんですよね。今年行くならなんで去年決勝行ってないんでしょうか。

ところで『M-12005』の「ホームページ」、同『2006』の「ブログ」、そして今回の「mixi」と続いた一連のウェブ関連ボケですが、お客さんとの共通認識が取れつつ、なおかつ細かい部分を突いてるあるあるネタとして精度が高いからこそ、なのかもしれないです。「マイミク増えるといいね」って、言葉だけだとボケでもなんでもないですし。
昔『ごっつええ感じ』でやってた『実業団選手権大会』と同種の、ある世界では当然である事を当然と説明している事が面白いというタイプのボケ。徳井さんとは関係ないですが、こういうのを上手いこと組み替えて、天津以外の新たなオタク漫才・漫談が誕生しないでしょうか。


大輪教授『バカデミック数学』 409点 8位

台本レベルでは、8人の中で最も上だと思いました。オンバトでもよく見る「素因数分解」って、賞レースや観客審査型の番組でわりかし重要な「伏線と盛り上がり」が極めて合理的に組み込みやすい構造なんですよね。個々のボケを多重構造化して大きなボケに繋げる事が可能で、しかもそれを短時間でやれる。
しかし、お客さんに拒絶されていたというか、単純に笑いが少なかったのが残念。「確率」と「素因数分解」の二部構成にしたのはどちらかのネタで拾い損ねたお客さんを回収するための善後策だと思われるんですが、一本ネタで通して玉砕するなり圧倒するなりしたほうがネタ審査番組として見る側の心象は良かったと思います。

間寛平のコメントの冷たさが凄まじかったです。去年のキャプテンボンバー以降、審査員としての寛平さんを見てるとハラハラします。恐らく『R-1』のバラエティ性を保持する為(『R-1』って『M-1』のパロディ化というか、ガチとバラエティの両立を目指した番組なんだと思います。そして二兎を追うもの……)に存在する方とは思うのですが、今年はその枠に高田純次がキッチリ収まってしまい、余地が無くなってしまいました。


友近『デリバリーピザ・西尾一男』 439点 5位

「テレビで観てて安心する方の友近」。X-GUN(現:丁半コロコロ)の西尾さんが昔よくやってたオバちゃんネタもそうなんですが、異性のキャラクターを演じるほうが鮮度が出るんでしょうか。

今更、何を書いてもなぁ……。


ウメ『紙コント・悪モノ』 437点 7位

『R-1ぐらんぷり2006』のDVDを観た時から大好きなんですが、その初見のときからずっと引っかかっていた部分が今回も出ていたように思います。即ち、構成の素晴らしさと演じ手の愛すべき緩さが噛み合ってない弱点。ネタがリピートするという衝撃はそれ以前に構築したストーリーが強固である程強いので、ウメさんのキャラクターとは親和性があまりよくないんじゃないんでしょうか。
ただ、その親和性の悪さはネタ自体の完成度と同義では無いというか、これが競技性の高い番組じゃなかったら観る側にも相当受け入れられると思います。お客さんの理解度が高ければ高いほど笑えるネタなので、これをきっかけに色んなネタ番組に出てほしいです。昨年の『トツギーノ』に並ぶ衝撃は残せたはず。

ダンカンの東国原ネタは引っ張り出し方が少々強引(笑)。


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↓続きます。
http://diarynote.jp/d/54473/20070219.html

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