『爆笑オンエアバトル』の公開収録に行ってきました
収録場所は大野城まどかぴあ大ホール。放送は12月8日だそうです。八朔です。


出番順に感想を書いていきますが、全てネタバレしてます(反転しようと思ったんですがDiaryNoteの仕様で無理でした)。あと一応ネタの大筋と点数は手持ちのメモで走り書きしたんですが、ネタ順も含めて一部間違っている可能性大です。さっき某所で正誤チェックしたらちょっと食い違ってましたし。















・アジアン 漫才「ひっかけ遊び」 473KB(オンエア)

『M-1リターンズ』でやってたネタですね。
「貴乃花の顔がプリントされた、バスマット要る〜?」。
これも含めてアジアンのネタは、やってる本人達が楽しそうだから見ている側もそれに乗せられて笑う、みたいな雰囲気に満ちていて、ボケ担当である馬場園さんの言葉遊びのセンスとそれを客観視する隅田さんの友達以下、他人以上の絶妙な距離感の関係性が観客にどれほど伝わるかがポイントになってくるんですが、今回のお客さんの反応を見る限りだとそこまでこのコンビの見方は浸透していなかったみたいでちょっと残念。トップ出番という事もあって、獲得玉数は多めでした。


・ビーム コント「居酒屋の親子」 397KB(オフエア)

居酒屋に親父を呼び出した息子が、結婚の許しを得ようと説得するネタ。こう書いてみて初めて気づいたんですが、娘方の父親ならともかく、実の父に結婚報告するシチュエーションってお笑いネタじゃ珍しいですね。
構成、個々のボケ、テンポ等、今日の10組と比較しても及第点以上のネタでした。居酒屋までの道程をひたすら迷った事をことさら面白そうに話す親父と、それに飽きてる息子(と観客)の構図が面白かったです。出番がもう少し後ろだったらオンエアもあったかもしれません。


・ビックスモールン ショートコント「ブルースリー、プッチンプリン、他」 397KB(オフエア)

最近ネタ番組に姿を見せなかったビックスモールンのまさかの登場に、会場騒然。
ネタの内容は、まさに「いつもの」としか言いようがない、アホマイルド・イヌがニャーと鳴いた日と並ぶ「芸人界三大腰に悪そうな肉体芸」でした。ここまでどことなくお客さんのリアクションが固かった会場も独特のテンションに包まれて、すっかり緩くなってました。それだけにオフエアは残念。


・5番6番 漫才「学級崩壊」 433KB(オンエア)

教師のメアドを聞き出そうとしたらドメインが「rorikon」だったとか、そんな感じのネタでした。
……ダメだ、ボケが前後の構成と切り離されてるから、どうしても詳しく思い出せない(即ちこのコンビの弱点)。
最近ネタの作られ方がますます爆笑問題に似てきた5番6番ですが、もし爆笑問題まで到達してしまったら、その後はどうするんでしょうか。あの偉大な先輩の生み出した漫才のフォーマットって時事問題の裁き方としては見事だけれど、そこから離れて「ところで俺達も高校時代の同級生で〜」みたいな通常のネタにシフトチェンジしてしまうと、途端に一種のボケに一対応のツッコミのみ放る雑な漫才になってしまうので心配です。


・エレファントジョン 漫才「別れ話」 481KB(オンエア)

この辺(5組目から7組目くらいまで)、ネタ順が曖昧です。ここと5番6番のネタがボケ→ツッコミ、ボケ→ツッコミの連続でネタ全体の印象が散漫なせいでしょうか。なので個々のボケだけおさらいしていくと「なんで彼女の腕の掴み方が平社員みたいなんだよ!」「俺が彼氏役だからお前は女やれよ!」など。
ボケの方は以前に組んでいたアメデオの頃から好きだったんですが、現在のコンビになってからネタの作り方が今の世代の若手芸人が作るネタに沿いすぎている感があるかも(天丼の細かい繰り返しとか、言葉の端々は面白いのに淡白なツッコミとか)。


・オジンオズボーン 漫才「指揮者 → 怪盗」 497KB(オンエア)

本来だと若手芸人が若年層にのみ向けた漫才・コントをやっちゃうと、その狭小さからくる特有の寒さが出てくるものなんですが、ここやNON STYLEは一歩抜け出た感じ。今回も大人の観客を目一杯笑わせてました。
ネタは「指揮棒の拍子に合わせていろんなシチュエーションに挑戦」「怪盗の侵入から去り際までを何度も繰り返す」と同じパターンをリピートする内容だったんですが、個々のボケの振り幅が大きく、観ていて全く飽きませんでした。特に「怪盗」は以前の松竹芸能ライブ「チクる!」でも観たネタの縮小バージョンだったんですが笑ってしまいましたし。


・瞬間メタル 男のショートコント「男の身体測定、男の道の聞き方」 381KB(オフエア)

ここも「いつもの」でした。拳から龍が出てました。本ネタと関係なく長渕剛の歌を熱唱していました。
面白かったんですが他にあんまり書くことないです。


・マキシマムパーパーサム 漫才「相方のハゲ弄り → スポーツに挑戦」 205KB(オフエア)

今回唯一の初挑戦。全国的な知名度も最も低いコンビだったためにその内容を期待していたのですが……。残念でした。
ハゲ弄りがしつこく続いたせいで観客が離れていったのが一番の原因だと思いますが、ボケも他のコンビと比較してなかなかクリーンヒットしていませんでした。ただ上記キロバトルほど絶望的な差があったとも感じられない内容だったので、今後に期待してみます。


・コンマニセンチ コント「全力兄弟」 337KB(オフエア)

……あー、ビックスモールン・瞬間メタルがダメだから、ここもダメか。福岡収録・前半は一点突破型のコンビ、ほぼ撃沈です。
個人的には10組の中で一番期待していただけに、お客さんの反応が引き気味だったのは残念でした。


・ヤポンスキー コント「BORN FANTASY(脳を鍛える紙芝居)」 433KB(オンエア)

トリにしてようやく、パイプ椅子等でない=必要最低限でない小道具(この場合はフリップ)を使う変化球タイプのコンビが登場しました。……いや、肉体派変化球ならここまで半分くらい出てきたんですが。
MANZAI-Cに始まり、いつもここからを経て、次の世代を担うフリップ芸人はここだと断言できます。描くキャラが可愛い。狭義のお笑いの範疇には入らないが広義の範疇には入る。ボケの精度も上昇している。お笑いオタ以外の人たちに愛される条件がここまで揃い始めていれば、期待だってします。



まとめますと、観客席には通常の東京収録よりも年配の方や男性が多く、評価も一般人寄りのものになったような気がします。オンバトではよく、単純に小ボケが滑った場合と、次以降に繋がるボケのために布石として置くボケの両方を同一視して「つまんないボケ」と判断したかのような裁定が下るんですが(加えて、おぎやはぎやPOISON GIRL BANDのような大きく笑わない間=つまんない間、と判別したり)、今回もそんな感じでした。
別にそう判断する審査員・観客が悪いんじゃなくて、ここまで特色が明らかな舞台なんだからそれに合わせたネタをきっちり用意し続け、連勝を続けるタイプの芸人さんがそろそろ現れてもいいんじゃないかな、とは思うんですけど。


個人的には、十組とも面白かったです。これが通常の公演だったら2500円くらいなら余裕で出します。これが往復ハガキ1枚で見に行けるんだったら(実際には10枚出して当たった)、そりゃ受信料も払います。

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